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山口 瑛子*; 本多 翼*; 田中 雅人*; 田中 万也; 高橋 嘉夫*
Geochemical Journal, 52(5), p.415 - 425, 2018/00
被引用回数:18 パーセンタイル:67.29(Geochemistry & Geophysics)風化花崗岩中にみられるイオン吸着型鉱床は重要な希土類元素資源として知られている。しかし、日本においてはこうしたイオン吸着型鉱床の存在の有無はほとんど調査されてこなかった。そこで本研究では広島県と島根県において風化花崗岩試料を採取し、希土類元素の分析を行った。その結果、中国でみられるイオン吸着型鉱床と同程度の希土類元素を含むことが分かった。EXAFSスペクトルを測定した結果、塩化アンモニウム水溶液により抽出される交換性の希土類元素は外圏型錯体として吸着していることが明らかとなった。一方、抽出されなかった画分は内圏型錯体を形成していた。
笹尾 英嗣
ESI-News, 32(4), p.155 - 162, 2014/08
安心安全科学アカデミーでの話題提供の内容をまとめたものであり、わが国の地質体における地質環境(還元性)の長期安定性と、地質環境が有する天然バリア機能の例証として、わが国のウラン鉱床の分布と産状を述べた。この中では、ウラン鉱床は様々な年代の地質体に胚胎し、ウランの大部分は粘土,褐鉄鉱などに収着して存在すること、酸化帯では二次鉱物としてウランが固定されていること述べた。また、ウラン鉱床を保存してきた地質環境は地質学的な時間スケールで安定に還元環境を保持してきたと推定されることから、地層処分に適した地質環境は広く分布することが示唆されることを示した。これらの点から、ウラン鉱床は多様な地質体で認められることから、地質学的な変動帯に位置するわが国の地質体においても、安定な地質環境が存在するとともに、鉱物化と吸着といった物質の移動を遅延し、また固定する機能が期待されることを示すことを述べた。
鳴海 一成
Science & Technology Journal, 12(5), p.50 - 51, 2003/05
原研高崎研では、放射線抵抗性細菌のDNA修復のメカニズムの解明研究を行っており、正常株から分離された放射線感受性変異株の変異遺伝子を分子遺伝学的に解析している。変異株解析からわかったことは、ラジオデュランスが既存のDNA修復機構を持ちつつ、独自のDNA修復機構をも兼ね備えているということであった。ゲノム解析から見いだされた機能未知遺伝子の中にも、やはり新規のDNA修復遺伝子があったのである。原研では、ラジオデュランスの優れたDNA修復機構を解明する研究と並行して、得られた研究成果を活用して、遺伝子工学用試薬の開発、低線量域での放射線生物影響の解析、DNA損傷の軽減化、放射性金属の捕集などへの応用研究をも始めている。放射線抵抗性細菌の進化的起源を考察すると、放射線抵抗性細菌はオクロウラン鉱床のような天然原子炉の近くで生まれたのではないかとも考えられる。放射線抵抗性細菌とその近縁の微生物のDNA修復機構を調べていくことで、DNA修復の起源と進化について、より深い考察ができると思われる。
渡辺 俊樹*; 真田 佳典*; 藪内 聡
JNC TY7400 2000-001, 72 Pages, 2000/03
本研究では、地下に電磁波エネルギーを送り込み、それに対する地下の応答を観測することにより地下構造を解析する地球物理学的調査において、正弦波的に変化する電磁エネルギーの周波数を高精度に制御し、連続して長時間地下に送り込む手法について研究開発を行った。本手法を採用することによって、調査深度の拡大や解析精度の向上ならびに調査機器の小型化を目指した。本報告書は本研究テーマのうち数値シミュレーションおよびデータ解析技術に関する研究の報告である。電磁波動現象は周波数によって挙動が大きく異なるため、周波数が数HZ数KHZ程度の低周波数を利用した電磁探査法および周波数が数十MHZ数GHZ程度の高周波数を利用した地下レーダー法のそれぞれについて電磁波動現象のシミュレーションを行った。次に、本調査手法の主な適用対象を岩盤内のフラクチャおよび含水破砕帯と想定し、地下レーダー法による岩盤内の微細構造の検出の可能性について検討した。次に、計測した電磁波動データから岩盤内部の物性値分布を求めるインバージョン解析手法について、数値実験および実データへの適用を行った。さらに、高分解能な時間-周波数解析アルゴリズムについて検討した。
磯部 博志
原子力バックエンド研究, 5(1), p.67 - 72, 1998/08
アクチノイド元素には、酸化還元環境によって異なる挙動を示すものがある。ウランは、酸化条件では6価となり高い溶解度を持つが、還元条件では4価となって溶解度は非常に低くなる。オーストラリア、クンガラ鉱床では一次鉱床と二次鉱床の間に酸化還元境界である遷移帯が存在する。そこでは、グラファイトや硫化鉱物が酸化還元状態に影響を与えている。遷移帯の試料を走査電子顕微鏡で観察した結果、黄鉄鉱の周囲やグラファイトと共存する脈の中に4価のウランを含む球状のウラニナイトやコフィナイトが観察された。これは、強い固定機構である還元による鉱物化が起こっていることの実例である。地下水データなどから計算すると、水中のウラニルイオンがすべて還元によって固定されている可能性がある。放射性廃棄物の地層処分においても、還元性の鉱物を含む緩衝材などによって、アクチノイド元素の鉱物化が起きる可能性がある。
坂口 孝司*
Environment & Innovation in Mining and Mineral Technology, 1, p.181 - 191, 1998/00
オーストラリア及び北アメリカのウラン鉱床で分離した微生物を使って、含ウラン廃水からのウランの回収除去を試みた。ウラン鉱床から分離した約800種の微生物の中から、菌体1g当たりに600mgのウランを濃縮できる高性能細菌、Bacillus subtilis及びArthrobacter sp.を選抜することができた。これらの細菌のウラン濃縮容量は5.2mEq/gであり、市販の合成キレート樹脂の2倍にも達する。該菌によるウラン取り込みの実態について詳しく解析した結果、濃縮速度が3分と極めて速く、かつ選択的濃縮性が高いこと、ウランの生体濃縮はラングミュラーの吸着等温式に従うことなどが明らかになった。また該菌はプルトニウムやトリウムなどの核燃料物質に対しても強い親和性を示すことから、アクチノイドのバイオプロセッシングに適用できることが示唆された。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 飯田 芳久; 関根 敬一
Radiochimica Acta, 82, p.319 - 325, 1998/00
クンガラウラン鉱床におけるウラン及びアクチニウム系列核種の水平及び深さ方向の2次元分布を、ガンマ線スペクトロメトリーにより求めた。U-238とTh/U放射能比の深さ方向の分布から、クンガラ鉱床の風化帯を3つの部分に分けることができた。5mより浅い表層では、雨水による速い移動によりウラン濃度は低く、5-20mの中層では、鉄鉱物へのウランの固定などによりウラン濃度は比較的高く、しかも35万年以内の顕著な移動は検出できなかった。より深い20-28m層では、1次鉱床から溶出したウランが下流方向150mにわたって移動沈着していた。また、2次鉱床に残っているウランの割合を計算すると、表層、中層及び深層でそれぞれ2-9%、13-58%及び14-29%であった。最も高かったのは深さ15mの2次鉱床の中心であった。したがって、移行率では1-3百万年の間に表層、中層及び深層で91-98%、42-87%及び71-86%のウランが鉱床から移行したと推定できた。
佐藤 努; 柳瀬 信之; I.S.Williams*; W.Compston*; M.Zaw*; T.E.Payne*; P.L.Airey*
Radiochimica Acta, 82, p.335 - 340, 1998/00
クンガラウラン鉱床の風化岩石中でのウラン系列核種の年代測定と再分配機構を調べるために、高分解能イオンプローブ(SHRIMPII)によるウラン同位体その場分析を行った。分析した風化岩石は、地下水によって流出したウランを多く保持している二次鉱床中心部の試料で、主に鉄鉱物、カオリナイト、石英からなる。分析は、それぞれの鉱物中の直径30ミクロンのスポット数か所において行われた。その結果、鉄鉱物中のU/U放射能比は、5段階抽出法(SE)で求めたものとほぼ一致するが、それと近接するカオリナイト・石英中の比は、SEよりも高い値を示した。これは、反跳によるThの鉄鉱物から隣接するカオリナイト・石英への移動によるものと結論づけた。SEから得たデータは間接的な証拠であるのに対して、SHRIMPによる測定は直接的なその場のデータであるので、本研究により初めて反跳の直接的な証拠が示されたことになる。
飯田 義正
動燃技報, (104), p.135 - 140, 1997/12
カナダ、アサバスカ地域のウラン鉱石は、密度の変化が非常に大きい。これは、密度の高いウラン鉱物と随伴金属鉱物の品位変動が大きいことと、間隙率の変化が大きいことによる。多数の鉱石試料の乾燥密度を正確に測定することは実際上困難なので、このように密度変化の幅が大きいと、資源量を計算する際の問題となる。実際の鉱石について検討した結果、化学分析値から粒子密度を計算で求め、これと湿潤密度の実測値から乾燥密度を求めるのが実際的であることが分かった。
小林 孝男
PNC TN1510 97-001, 56 Pages, 1997/05
動燃はカナダ・サスカチワン州に有望なウラン探鉱プロジェクトを有しており、23のプロジェクトは、2010年前後の生産を目指して開発に向かう可能性が高いと考えられる。2000年初頭の民間移転を視野に入れて、関連会社間の商取引上の税金面での問題を明らかにし、また、予備的経済性評価の基礎資料とするため、カナダDeloite Touche社に委託し、「サスカチワン州におけるウラン鉱業税制」の調査を行った。本書はその報告書の邦訳である。
落合 洋治; 福島 龍朗; 沖田 正俊; 茂田 直孝; 花木 達美; 高橋 修; 中野 勝志
PNC TN7440 97-003, 255 Pages, 1997/04
本報告書は、東濃地科学センター・技術開発課が平成8年度に実施した研究開発の業務成果を取りまとめたものである。当年度は鉱床解析評価班が資源解析評価班として名称を改め技術開発課に加わり、資源情報調査・ポテンシャル解析・鉱床評価等の業務についても実施することになった。その他業務は前年度に引き続き実施した。これらのほか、平成7年12月8日のもんじゅ事故を契機として、施設の安全管理が最重要視され、東濃鉱山においては、経年変化対応として調査立坑巻揚機更新工事、総合管理棟の新築工事、沈殿池回り整備工事等を行い鉱山施設の整備を図った。
黒沼 長助
PNC TN1420 97-002, 51 Pages, 1997/03
全地球的な人口問題、エネルギー問題、地球環境問題を解決するために、原子力の役割は今後さらに大きくなると考えられます。我が国は原子力発電の燃料である天然ウランの全てを海外から輸入しています。電力各社は2000年までに必要な天然ウランを既に確保済ですが、当分の間、軽水炉が原子力発電の主流を担うと予想されることから、天然ウランの確保は引き続き重要な課題であると考えられます。ウラン資源量や需給見通しについては、IAEAとOECD/NEAあるいはウラン協会による報告書などでたびたび紹介されていますが、どのようにしてウランを探すかについての説明が不足していたように思われます。ここでは、実際のウラン探査がどの様なものであるかに焦点を当て、一般的なウラン探査の進め方、ウラン鉱床のタイプ、動燃が実施しているウラン探査作業内容および探査技術、これまでのウラン探査の成果などについて、分かりやすく図を交えながら紹介していきます。本書が、動燃事業団が行っているウラン探査活動に対する理解を深めていただく上での一助となれば幸いです。
佐藤 努; 村上 隆*; 柳瀬 信之; 磯部 博志; T.E.Payne*; P.L.Airey*
Environmental Science & Technology, 31(10), p.2854 - 2858, 1997/00
被引用回数:81 パーセンタイル:88.49(Engineering, Environmental)地下環境におけるウランの移動と遅延の機構を研究することは、ウランの探査、ウラン鉱山の環境管理、放射性廃棄物の処分などにとって重要である。地下水中のウランの鉄鉱物相による除去について多く研究されているが、亀裂充填、被覆(コーティング)、海流瘤塊(ノジュール)などの形態によるウランの取り込み量の違いの研究は少ない。クンガラウラン鉱床では、地下水によって運ばれるウランが鉄ノジュールに非常に濃縮されることが分かった。鉄ノジュールのウラン濃度はUOとして8重量パーセントと地下水より6桁も高く、他の形態の鉄鋼物におけるウラン濃度よりも1桁高い。鉄ノジュールの大きなウラン含有量から、クンガラでは鉄ノジュールがウランの固定に重要な役割をしていると考えられる。
長島 秀雄
PNC TN7510 96-002, 10 Pages, 1996/05
URANIUM(1995年版)はNEA(OECD諸国担当)とIAEA(非OECD諸国担当)の質問状に対する54ケ国からの回答を基に、ウラン資源、ウラン生産量、原子力発電規模、必要量、探査費、在庫量等について、1995年1月1日時点のデータを集積している。1995年版の特徴としてブルガリア、キューバ、ハンガリー、インド、カザフスタン、ウクライナから重要な新情報が得られた。しかし、ロシアとパキスタンからの回答はなかった。最近のウラン市場の状況を勘案し、初めて$40/kgU以下のコストカテゴリーが設けられた。回収コスト$130/kgU以下の確認資源が、1993年版レッドブックから87万tU強増えているが、これはカザフスタンをはじめとするCIS諸国の資源が確認資源に組み込まれた(前回は「その他の既知資源」とされていた)ことと、オーストラリアの推定追加資源-Iが確認資源に入れられたことによる。今回の1995年版では2010年までの需給予測を行っているが、世界のウラン必要量は1995年の約6.1万tUから2010年には約6.9万7.5万tUに拡大する。
吉岡 直也*; 土原 久哉*; 堀田 政国*; 木下 直人*
PNC TJ1449 96-008, 189 Pages, 1996/03
深部岩盤内に空洞などを構築するとき、空洞近傍の岩盤は力学的・水理学的な影響を受け、空洞内や岩盤内に様々な不安定現象をもたらすことがこれまでに経験されている。本研究の目的は釜石原位置試験第2フェーズとして、深部岩盤に位置する釜石鉱山250mレベル坑道(土破り730m)の掘削によって受ける影響領域について評価することである。対象とする岩盤は栗橋花崗閃緑岩を母岩とするき裂性岩盤である。平成7年度は試験坑道の掘削、および調査・試験のための準備として計測坑道と試錐孔の掘削を行い、予備計測(AE、Pac-EX、振動計測)弾性波探査、室内岩石試験、および予備解析を実施した。計測坑道は普通発破工法とスムースブラスティング工法によって掘削し、発破データの収集と掘削精度を検証した。AE計測は、掘削による岩盤内のき裂発生と進展に伴うAE波を収集し、AE信号の経時的変化とその平面分布特性を把握した。また、坑道掘削時のき裂の変位とそれにともなう間隙水圧の変化とき裂の透水性の変化を測定する計測装置Pac-Ex(パッカー付き裂変位計)測定が試行され、精度のよい計測ができた。坑道掘削時に発破振動計測が試行され、加速時計の選定と設置方法に関する基礎データを得ることができた。坑道掘削終了後に坑内弾性波探査屈折法とPS検層を行い、坑道周辺岩盤の弾性波速度分布を把握した。また、坑道内の地質・き裂調査と試錐孔のコア観察、孔壁観察を行い、対象領域の地質・き裂分布特性を調査した。さらに、試錐コアを用いて室内岩石物理・力学特性試験、およびき裂特性試験を行った。平成6年度に実施されたき裂・岩石物性データに基いた有限要素法と個別要素法による掘削解析から、坑道掘削前の対象領域における力学状態の予備的検討を行った。以上の結果から対象岩盤の発破特性の評価と試験坑道の発破パターンの設計、種々の計測・試験法の適用性評価、発破工法の違いによる弾性波速度分布の把握、岩石と単一き裂の応用・変形挙動の定量的評価を行い、さらに対象岩盤のき裂分布特性と坑道掘削後の岩盤内応用・変形状態の推定ができた。
吉岡 尚也*; 土原 久哉*; 堀田 政国*; 木下 直人*
PNC TJ1449 96-007, 349 Pages, 1996/03
深部岩盤内に空洞などを構築するとき、空洞近傍の岩盤は力学的・水理学的な影響を受け、空洞内や岩盤内に様々な不安定現象をもたらすことがこれまでに経験されている。本研究の目的は釜石原位置試験第2フェーズとして、深部岩盤に位置する釜石鉱山250mレベル坑道(土被り730m)の掘削によって受ける影響領域について評価することである。対象とする岩盤は栗橋花崗閃緑岩を母岩とするき裂性岩盤である。平成7年度は試験坑道の掘削、および調査・試験のための準備として計測坑道と試錐孔の掘削を行い、予備計測(AE、Pac-Ex、振動計測)弾性波探査、室内岩石試験、および予備解析を実施した。計測坑道は普通発破工法とスムースブラスティング工法によって掘削し、発破データの収集と掘削精度を検証した。AE計測は、掘削による岩盤内のき裂発生と進展に伴うAE波を収集し、AE信号の経時的変化とその平面分布特性を把握した。また、坑道掘削時のき裂の変位とそれにともなう間隙水圧の変化とき裂の透水性の変化を測定する計測装置Pac-Ex(パッカー付き裂変位計)測定が試行され、精度のよい計測ができた。坑道掘削時に発破振動計測が試行され、加速度計の選定と設置方法に関する基礎データを得ることができた。坑道掘削終了後に坑内弾性波探査屈折法とPS検層を行い、坑道周辺岩盤の弾性波速度分布を把握した。また、坑道内の地質・き裂調査と試錐孔のコア観察、孔壁観察を行い、対象領域の地質・き裂分布特性を調査した。さらに、試錐コアを用いて室内岩石物理・力学特性試験、およびき裂特性試験を行った。平成6年度に実施されたき裂・岩石物性基いた有限要素法と個別要素法による掘削解析から、行動掘削前の対象領域における力学状況の予備的検討を行った。以上の結果から対象岩盤の発破特性の評価と試験坑道の発破パターンの設計、種々の計測・試験法の適用性評価、発破工法の違いによる弾性波速度分布の把握、岩石と単一き裂の応用・変形挙動の定量的評価を行い、さらに対象岩盤のき裂分布特性と坑道掘後の岩盤内応用・変形状態の推定ができた。
石堂 昭夫; 則竹 和光; 境 収*; 高橋 修
PNC TN7440 96-002, 86 Pages, 1996/02
天然ウランの市場についての全般的な説明を行うために準備したOHPをとりまとめたものである。1996年2月時点での天然ウラン市場を過去・現在・未来に分け、そのそれぞれについてウラン資源、鉱山開発、需給の三つの専門分野から検討を加えている。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 磯部 博志; 関根 敬一
放射性廃棄物研究, 2(1-2), p.121 - 135, 1996/02
クンガラウラン鉱床を用いたナチュラルアナログ研究において、岩石中のウランの分布を明らかにするために、逐次選択的抽出法を適用した。対象とした抽出相は、吸着、非晶質鉄鉱物、結晶質鉄鉱物、緑泥石および残査鉱物相である。風化帯では、大部分のウランが結晶質鉄鉱物と共存しており、非風化帯の鉱床付近ではウラン鉱物としてウランが存在していた。非風化帯の地下水流の下流側では鉱床起源のウランは少なかった。また、各抽出相のU/U放射能比から、微視的に残査鉱物が鉄鉱物に覆われている状態で反跳が起こることが原因と考えられる残査鉱物相へのUの濃集が認められた。
長島 秀雄
PNC TN7510 96-001, 392 Pages, 1996/01
本報告書『ウラン 1995年-資源、生産および需要-』は、世界のウラン需要と供給に関する1995年の取りまとめ結果である。本報告書は1995年1月1日現在の世界のウラン産業の統計的な概要を提供している。本報告書は1993年版レッド・ブックを更新する形で54ケ国のウラン探鉱活動、資源および生産に関するデータを収録している。ブルガリア、カナダ、キューバ、ガボン、ハンガリー、インド、カザフスタン、ナミビア、南アフリカおよびウクライナを含む多数の国に関する多くの新情報が盛り込まれている。本書にはウランを生産している25ケ国のうち、1994年の世界のウランの約92%を生産した23ケ国に関する報告が含まれている。パキスタンとロシアは質問状に回答をしなかった。本報告書は2010年に至る原子力発電容量と原子炉関連ウラン必要量の予測も示している。